老朽マンションの「建て替え」はほぼ不可能という現実

私は日常業務として、マンション購入に関するさまざまな相談にのっている。
都心の古い中古マンションの購入を検討されている方から「建て替えも視野に入れています」という言葉をよく聞く。

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 昨今、老朽マンションを建て替えるという話題が多くなったため、それを期待するのだろう。
しかし、古くなったからといって「建て替えられる」と考えるのは大きな間違いだ。今の法制度ではほぼ不可能と言っていい。

 国土交通省の統計では、今年4月1日現在、全国で建て替えられたマンションは、準備中の事例を含めても218件しかない。
これに対して、建て替えを視野に入れなければならない1981年以前の旧耐震基準の物件は、全国に3万8000棟以上ある。
つまり、今まで0・5%程度しか建て替えが実現していない。そして、今後もこの数字がハネ上がるとは思えない。

 建て替えが実現するマンションには共通点がある。
それは、誰もが住みたくなるような場所にあって、なおかつ容積率が大幅に余っているということ。

 建て替えて住戸数を増やし、それを分譲することで建築費とデベロッパーの利益が出る場合に可能となる。
各区分所有者の負担額がゼロでないと、建て替えは不可能と考えていい。
そういう条件を備えた老朽マンションは、おそらく全体の2%未満だろう。

 法制面で言えば、全区分所有者の5分の4が賛成すれば、建て替えができることになっている。
しかし、容積率が余っていないマンションだと、建築費は100%自己負担になる。

 建築費は、デベロッパーの発注ベースで1戸当たり2000万円前後。
全区分所有者の8割がそれを負担できる物件は、どれだけあるだろうか。

 結局、全体の98%以上のマンションは、事実上建て替えが不可能なのだ。
多くの人は、この条件を知らずに都心の老朽物件の購入を考えている。何とも危うい。

 しかし、建て替え計画のある老朽マンションを購入すると、何年か後に自己負担ゼロで同じくらいの広さの新築住戸を
手に入れることができるかもしれない。もしそうなれば、とてつもなくラッキーだ。

 実は、そういう“お宝”を見分ける方法もある。やり方は簡単。
中古マンションを検討する際、仲介業者に「管理組合の総会議事録を過去3年分送ってください」と依頼すればいい。

 建て替えというのは、通常なら10年くらいの準備期間がある。
その間、管理組合の主要な議題となるので、必ず総会議事録にそれが出ている。
総会議事録をくまなく読めば、建て替えが実現するか否かも、おおよそ予測できる。

 もっとも、そういう物件はあまり売りには出ない。
また、実現できないマンションよりも価格が高いケースが多い。根気よく探すしかない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131215/ecn1312150731000-n1.htm


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