マンション全体で省エネ!京都環境賞受賞マンションのエコな取り組み

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阪急京都線西京極駅から徒歩13分。京都市右京区にある西京極大門ハイツは、管理組合を法人化し、長年ユニークな取り組みをしてきた築37年のマンションです(http://suumo.jp/journal/2013/11/01/54598/)。2011年には『京都環境賞特別賞』を受賞。さらに、削減したCO₂の排出権を認証し、取引する「DO YOU KYOTO? クレジット制度」にも参加するなど、その先進的なエコへの取り組みについて、西京極大門ハイツ管理組合法人理事長である佐藤芳雄さんに伺いました。

マンション全体での省エネで大幅コストカットに成功
2011年の京都環境賞では、全住民の参画のもと、省エネや温暖化対策につながる設備改修を行ってきた、長年の取り組みが評価されたそうですね。

「竣工から9年目の昭和59年、電気代削減のため、共用部の手動だった電灯のスイッチ類を自動点滅に変更し、動力の契約容量の見直しを行ったのが最初の取り組みでした。その後、共用部に関してはエレベーターのインバータ化、加圧給水方式への転換、高圧一括受電のシステム導入、LED照明への切り替えなどを実施し、専有部に関しても平成23年に全戸の窓ガラスを真空ガラスに交換しました。また、省エネと同時に結露や防ダニなどを目的とした外壁の外断熱工事も年内に着工し、来年6月末には竣工予定です」
随分たくさんの設備改修をされているんですね。そのような取り組みは、実際にどの程度のコスト削減につながったのでしょうか。

「最初の動力容量の見直しでは、年額60万円ほどの削減に成功しました。また、その後のさまざまな設備改修を経て、昭和59年当時、年間280万円かかっていた共用部電気代は、平成24年度には実質102万円まで削減されました。また、各住戸に関しても、窓ガラスを断熱性の高いものに交換したことで、平均8.7%の電気使用量が削減されていますので、エアコンが稼働する季節の電気代の節約につながっていると思います」

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【画像1】加圧給水方式に変更したことで、電力使用量が約半分になったと話す佐藤さん。大胆な設備改修が大幅なランニングコストカットにつながった(写真提供:インサイトコミュニケーションズ)

他にも、省エネ活動などで削減したCO₂の排出権を売買するプロジェクトに参加されて、排出権の売却も行っているそうですね。

「西京極大門ハイツでは24世帯が参加し、CO₂排出権の売買を行うCO₂削減プロジェクト『DO YOU KYOTO? クレジット制度』の認証を受けています。今年8月末までの2年間で計18.7tの二酸化炭素を削減し、この排出権については地元京都のサッカーチーム 京都サンガF.C.の試合興業時に課せられている排出削減義務の穴埋めに買い取られています。コミュニティ団体でこのような取り組みをしている例は珍しく、ましてやマンションの管理組合が行っている例としては稀有なようですね」管理費は37年前の水準まで引き下げ
共用部の電気料金が約30年前の半分以下になり、CO₂排出権の売却まで行っているというのは驚きですが、そもそも省エネに取り組み始めたきっかけはなんだったのでしょう。

「最初の大規模修繕工事を控え、不足する修繕積立金の住民の負担額を圧縮する必要に迫られたのが、省エネの取り組みをはじめたきっかけだったんですよ(笑)。この大規模修繕の資金不足が、管理組合の法人化へのきっかけにもなったわけですが、お金を集める苦しみを味わったことで、会計業務にはシビアになりましたね。管理費滞納を阻止するために、滞納時のペナルティは重く、遅延損害金の金利は一般的な水準よりは高めの18%に設定しています。ですので、管理費の滞納はほとんど発生していません」
管理組合の法人化による、自主管理への移行で、マイナスだった財務状況は改善されたのでしょうか。

「ハード面の改修や委託業務の見直しなどを行い、マイナスだった修繕積立金も今では黒字になりました。また、一時は入居当初から30%以上上がっていた管理費も、今では37年前の水準まで引き下げることができ、それでも余ってしまう分に関しては、毎年管理費2カ月相当分を還付金として返還しています」
余剰まで発生するとは、すごい回復ですね。そのような大胆な改革をスムーズに進めていくには、住民の合意形成が必要不可欠だと思うのですが。

「安全安心できれいに維持管理され、資産価値も保たれているマンションにおいては、工事の度に追加徴収しますとするから反対が出る。先々までの維持管理の計画を立てておけば、反対は出ない。みんな良くなることに対して反対なんてしませんから(笑)。省エネやバリアフリー化など、取り組みが見える形になると、みんな気になるし、興味がわくんです。積み重ねてきた取り組みとその結果に対しての評価が、住民の合意形成につながっていくんだと思います」

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【画像2】NPO法人の京都マンション管理評価機構から基礎・優良管理評価共に満点評価を受けていることを示すプレートが環境賞受賞記念プレートと共にエントランスに飾られている。「このプレートは実は住民に向けてのものなんです。評価されたことを見えるようにしておくことで、意識が高まりますからね」(写真提供:インサイトコミュニケーションズ)

「分譲マンションは維持管理をしていく上で、理事会がオーナーの役割を担うべく、『経営』の視点を持っていないと、オーナー不在の賃貸マンションのようになってしまいます」と語る佐藤さんの言葉が印象的でした。住民ひとりひとりから預かった管理費を、いかに有効に使い、自分たちのマンションをよりよいものにするか、という、まるで株主への利益還元を追求する経営者のような視点が、住民と管理組合の信頼関係につながっているのかもしれません。


http://realestate.reuters.co.jp/journal/54709


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