管理組合、交流会で共に情報交換

運営法や修繕を比較

 マンションの管理組合同士が情報交換をする交流会が各地で開かれている。ふだん、他の管理組合の活動内容を知る機会はあまりない。交流を通し、管理会社の対応や修繕工事の進め方が比較でき、運営の参考になるようだ。

 今月7日、横浜市金沢区で、地元マンションの管理組合の役員らが集う交流会が開かれた。10か所のマンションから11人が参加。「住戸専用の排水管の清掃をしなくてもいいという住民がいた場合、どうしていますか」との質問に、別のマンションの参加者が「『清掃をせずに漏水があった場合は責任を取る』という誓約書を書いてもらっています」と説明するなど、活発な情報交換が行われた。

 初めて参加した男性(61)は、「昨秋、管理組合の理事長になったが、修繕積立金の決め方がわからない。管理会社には相談しているが、よそのマンションがどうしているのか、知りたくて参加しました」。

 また、別の男性(60)は、「大規模修繕の委員を務めた時、交流会がきっかけで、他のマンションの修繕現場を訪れた。実際の施工方法を確認することができ、参考になりました」と話す。

 交流会は、市の支援事業として2005年から始まった。現在は神奈川県マンション管理士会など5団体が共催し、毎月第1日曜に市内18区の会場で一斉に開催。管理組合の役員でないマンション住民らも参加できる。参加費は資料代などを除けば無料だ。

 マンション管理士建築士らが「相談員」として同席し、専門的な助言も行う。県マンション管理士会理事の鷲谷雄作さんは、「運営法や住民の合意形成の仕方を比較しあう場になっています」と話す。

 管理組合同士の交流会は、マンション管理適正化法が施行された01年以降、自治体がかかわる形で広がってきた。自治体にマンション管理を支援する努力が求められたからだ。

 東京都品川区は、区内のマンション管理組合を対象にした交流会を昨年度から年2回開いている。同区が区内の235か所のマンション管理組合理事長らに聞いた調査によると、56%が相互交流が「必要」と答えた。茨城県つくば市でも今年、「つくば市マンション連絡会」が発足し、今月7日に同市などの主催で設立記念セミナーが開かれた。今後、勉強会を定期的に開く。

 インターネットの交流サイトで管理組合が情報交換するしくみもある。マンション管理の情報提供会社「マンション管理組合サポート」(東京)は今春、サイト「マンくみ」(http://www.mankumi.jp/)上に、管理組合の理事向けの「教えてマンくみ!」を開設。管理組合あたり5人までは無料で利用できる。

 日本マンション学会会長で千葉大教授の小林秀樹さんは、「当事者が腹を割って話せる交流会では、管理会社や修繕工事業者の評判など、具体的な情報が把握できる」と話す=表参照=。ただし「工事費が安い」などの話だけ参考にするのでなく、工事内容など質も見極めてほしいという。

 自分が暮らす地域で交流会が開かれているかどうかは、自治体の住宅関係の窓口に聞けばわかる。NPO法人などが主催する交流会もある。


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