“管理丸投げ”は大間違い 「長期収益計画」の餌食になるな!

多くの人は、新築マンションに入居すると、安心してしまう。

 「これでマイホームができた」

 実は、それはゴールではなくスタートである。何のスタートかというと、他の区分所有者とそのマンションを共有し、健全な状態に保つための共同作業である「管理」業務のスタートなのだ。

 マンションの敷地と建物は共有部分と専有部分に分かれている。各住戸の内側が専有部分で、それ以外は全部共有部分だと考えていい。管理業務は、主に共有部分の保全と維持である。

 「そんなことは管理会社に任せておけばいい。そのために管理費を払っているのだ」

 ほとんどの区分所有者はそう思っている。輪番制で理事や監事になると「面倒くさい」と考える。

 中には管理オタクのような人がいて、何期も理事長を務めるケースもある。それでうまく機能していればいいが、区分所有者同士が不信感を抱いてマンション内がギスギスしたりする。

 マンションは基本的に共同体。管理は区分所有者の共同作業だ。特定の人間に偏るのではなく、全員が「自分の義務を果たすのだ」という気持ちで与えられた使命をキッチリこなし、後任者に引き継ぐのが理想である。

 もっとも望ましくないのは「管理会社に丸投げ」という状態。よく雑誌などで「管理会社ランキング」のようなものが出ている。そこで評価の高い管理会社に任せておけば大丈夫…のように考えがちである。それは大きな間違い。管理会社に善しあしはあるが、それ以上に管理会社の担当者も重要だ。

 さらに、管理組合と管理会社というのは基本的に利益相反の関係にあることを理解すべきである。管理会社はできるだけ多くのお金を管理組合から引き出そうとする。管理組合はそういった管理会社の行為を厳しく監視しなければいけない。

 例えば、管理会社は毎年のように修繕工事の提案を行ってくるはずだ。自らが請負業者になる場合もあれば、息のかかった業者に発注するケースもある。そんな工事が本当に必要か精査しなければ、修繕積立金の残高がどんどん減ってしまう。そして「このままでは足りないから、修繕積立金を値上げしてください」ということになる。

 長期修繕計画にしても同じ。管理会社はなるべく早い時期にやりたがる。外壁の大規模修繕なんて、本当に築10年ちょっとで必要かどうか、大いに疑問だ。

 つまり、新築マンションの「長期修繕計画」とは、管理会社の「長期収益計画」になっている場合が多い。管理会社にとっては「モノ言わぬ管理組合」が一番いいお客さんで、どんどん修繕工事の提案をする。だから、管理組合がしっかり機能しないと、いいようにやられてしまう。

 管理というのは、区分所有者にとって「自分の家を守る」大切な営みである。それを重々理解し、理事になればしっかりと役割を果たしてほしい。


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