リノベーションで住宅使い回し―どんどん壊してどんどん建てるはもう時代遅れ

「あなたの家が生まれ変わる」と視聴者呼びかけ型のタイトルがついた。なんだか、どこぞの民放番組のようである。サブタイトルの「住宅リノベーション最前線」もどこかの民放のトレンド・ビジネス称揚番組のようで、正直、食指は動かないところだ。

家の「リフォーム」はよく聞くが、リノベーションとなるとどう違うのか。たとえば、建物の内部を全部取っ払って、レイアウトや設備を一から作り直したりする大規模な改修のことを言う。集合住宅だと外観や共同設備などを改良することもある。そうすれば、いかにも団地というような古い公団住宅もほら今風に早変わりするんである。このビフォア/アフターに、スタジオの芸能人が大げさに驚いて見せる―かわりに、「クローズアップ現代」ではリノベーションの社会的な意義について、かしこまってひとくさり。

建物は古くても中は新築同様。建築費も割安

日本で住宅の寿命は短く、古い建物の価値は低い。マンションも築20年を超えると、価格は新築の3割まで落ちるという。そこで莫大な資源やエネルギーを使ってまた新しいモノを建てる。これはエコじゃない。海外ではきちんと維持された古い建物は、資産価値が落ちないどころか上がることもある。住宅使い捨てジャパンと、良いモノをメンテして長く使う欧米ってなとこである。

リノベーションの場合、建物の構造自体は使い回せるので、新築するのにくらべればコストを抑えることができる。建物自体は古いけど、中は新築同様という住宅が割安で誕生することになる。日本は地震の多い地域特性ゆえに、建物の古さ老朽化などは大いに気がかりだが、お上が建物の耐震性評価をしたり、建物の重さを軽くするなどの耐震対策などもある。

もっとも、成長という名のインフレを目指すアベノミクスにとって、古い建物を使い回すなどは、エコだとはいえ、デフレ的でケチくさいかもしれない。どんどん新しい建物を建てた方が値段は上がり、解体業、建設業とその周辺は潤い、そのカネが回ってみんなハッピーになれる。リノベーションはこれからの流行りのようでいて、じつはもう古いのかもしれない。


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