横浜プリンスホテル跡地に新しい街誕生 大規模分譲マンション隣接で貴賓館も復活

経済産業省は今年2月届出分の新規出店予定の大型店舗を公表した(表参照)。それによれば、新規出店の届出があった大型店は62件で昨年同月比11件減になった。昨年10月以降4カ月連続で前年同月を上回っていたものの、今回は減少に転じた。

■横浜プリンスホテル跡地にオープン
今月分の新規出店届出の中で、店舗施設ではなく、出店する場所自体が注目されるのが、来年2月27日オープン予定の「(仮称)横浜プリンスホテル跡地開発計画」(店舗面積1793平方メートル)である。

東京建物、東京急行電鉄オリックス不動産、日本土地建物伊藤忠都市開発の4社が共同で事業主となり、大規模分譲マンションを建設、その付帯施設として商業施設等が整備されるというもの。分譲マンションの名称は、東京建物のブランド名を冠した「Brillia City 横浜磯子」。分譲地の一角の商業棟に、首都圏の食品スーパー大手・マルエツがテナントとして入居する予定だ。

場所は開発計画の名称にあるとおり、2006年6月に閉館した横浜プリンスホテルの跡地。横浜市磯子区、JR京浜東北線磯子駅の西側の高台で駅から徒歩4分。高台からは横浜港を望み、みなとみらい地区・横浜ベイブリッジが一望でき、眺望については絶好の場所といえる。

しかも、横浜プリンスホテルが開業する前は、旧東伏見宮の別邸があっただけに、周囲を豊かな緑地で囲まれ、敷地内にはホテル開業以来「プリンス坂」と呼ばれた桜並木の私道が丘の上に続くなど、環境的に恵まれた場所でもある。

総開発面積11.7ヘクタール、首都圏最大規模の広大な丘の上に地下1〜2階・地上3〜10階建て住宅棟13棟、そして商業棟1棟がそびえ立つ。13年6月、14年2月と2回に分けて入居開始、総戸数は1230戸。1世帯4人とすると丘の上に5000人規模の街が新たに誕生することになる。

商業施設「ヒルトップモール」は敷地の北側に建設され、スーパーのマルエツのほかドラッグストアのハックドラッグ、コンビニエンスストアセブン-イレブン、クリニック、学習塾、保育園などの入居が決まっている。

■横浜の新しい人気スポットか
駅近、眺望、豊かな緑と3拍子そろった住環境で、かなりの人気物件となっているが、このマンション開発の目玉は、敷地の中心にシンボルとして鎮座する「旧東伏見邦英伯爵別邸(通称「貴賓館」)」だろう。

貴賓館は、1937年、東伏見邦英伯爵(旧皇族)の病気療養のため、温暖で見晴らしのよい横浜市磯子区の高台に建てられた歴史的建造物。鉄筋コンクリート造り、地上3階・地下1階で、竹中工務店が建設。横浜市磯子区のホームページにあるに建物概要を引用すると、以下のとおりとなる。

−−外観は屋根と庇が幾重にも重なり城郭のような印象。屋根は大変珍しいオレンジ色のタイル葺き、窓には木製の欄干の飾りがあり日本古来の伝統的風情をかもし出している。内部は洋風で、階段室は3階まで吹き抜け、大理石の手すりがついている。2階の天井にはイスラム風の星形の模様があり、まるでモスクの中にいるような雰囲気 −−

この建物は、「赤レンガ倉庫」「エリスマン邸」「カトリック山手教会聖堂」などとともに横浜を代表する建築物のひとつで、横浜市の歴史的建造物に指定されている。

敗戦後、貴賓館はGHQ接収にされフランス使節の宿舎に。その後、西武グループが買い取り、レストランや披露宴会場として利用されてきたが、06年にホテルとともに閉館した。

今回の「横浜プリンスホテル跡地開発計画」により、商業施設と一体となったパブリックスペースに、貴賓館は8年ぶりによみがる。そして、和の鉄人・中村孝明氏の本格懐石レストランが貴賓館内にオープンする予定だ。

戦前は皇族、戦後はホテルの客と、限られた一部の人たちしか利用できなかった旧皇族の邸宅。来年、商業施設&レストランとして開業すれば、間違いなく横浜の新しい人気スポットとなるだろう。

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