脱法ハウス:マンション無断改築 「家族的な雰囲気一変」

2DK(37平方メートル)の部屋が6人用の「シェアハウス」に無断で改築された東京・音羽の分譲マンションでは、1階入り口の掲示板に管理組合が張った「シェア禁止」などと通告する文書が何者かにはがされ、持ち去られていた。組合は東京・赤坂のシェアハウス運営業者の関与を疑い、警察に相談する事態に。住民は「家族的な雰囲気が一変してしまった」と嘆く。

 音羽のマンションは築約35年で10階建て。周囲は閑静な文教エリアで「鳩山会館」(鳩山一郎元首相邸)も近い。完成当時から住むという女性(81)は「上階の若い女性が母の日にプレゼントをくれたりする。組合の会報には新しい入居者が必ず自己紹介文を寄せるなど、つながりを大切にしてきた」と愛着を示す。

 組合役員で、会報を数カ月に1度のペースで発行する70代の男性も「皆が家族のように暮らすマンションを目指してきた」。見知らぬ者が大勢でシェアする部屋について「トラブルのもと。マンション全体の資産価値を大幅に下げる」と懸念する。

 「事件」は、今年4月下旬から5月下旬にかけて2度起きた。

 最初は4月下旬。組合が総会で「シェアハウス禁止」をルール化する直前だった。81歳の女性が、一連の問題を伝える会報を、改築中の部屋から出てきた男性が掲示板からはがして持ち去るのを目撃した。「怖くて『はがさないで』と言えなかった」と振り返る。

 2度目は、改築工事が完了した翌日の5月22日。シェア禁止の細則を管理規約に設けたことを伝える文書がはがされた。役員の男性は「部屋に入っていくスーツ姿の男2人に『管理組合の者ですが』と声を掛けたら、『管理組合は関係ねえ』と怒鳴られた。そのうち1人が帰りに持ち去った」と話す。

 持ち去る場面は、いずれも防犯カメラに記録されており、警視庁大塚署は「組合から相談は受けている」としている。

 業者は「地方から出てくる若い女性がターゲットで、トラブルは少ない。空室だらけのマンションの方がよほど資産価値が落ちるし治安も悪くなる」と反論。張り紙をはがしたと疑われている点については、「こんな状況になり心苦しい」としたものの、関与に言及しなかった。


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