路線価:湾岸、液状化で明暗 「明」被害少なく豊洲人気/「暗」浦安は下落傾向続く

国税庁が1日公表した今年の路線価では、東日本大震災液状化被害を受けた千葉・浦安で下落傾向が続く一方、消費増税前の駆け込み需要やアベノミクスへの期待からマンション人気が復活してきた東京・豊洲は堅調。同じ湾岸部の埋め立て地でも明暗が分かれた格好だ。

 豊洲ふ頭の一角に、地上44階建てのタワーマンションが姿を見せつつある。三井不動産レジデンシャルなど大手6社が手掛ける「スカイズ タワー・アンド・ガーデン」。モデルルームは毎週末、100組以上の来場者でにぎわう。

 「湾岸エリアでは耐震や防災設備は絶対に聞かれる。震災時にほとんど液状化がなかったのが大きい」と斎藤裕統括所長は説明する。最新の「免制震」システムを採用し、延焼の恐れがある木造家屋も周囲に少なく、「来場者は『安全安心』ととらえてくれている」という。

 子供連れでモデルルームを訪れた東京都内の男性会社員(41)は「津波が心配だったが、堤防や自家発電などしっかり対策されている」と評価。横浜市中区の会社員、和田洋さん(58)は「液状化がなかったのは埋め立て地としてしっかりしているのだろう。消費増税前に結論を出したい」と話した。

 みずほ証券の石沢卓志・チーフ不動産アナリストは「浦安で液状化があった際には埋め立て地のマンション離れが進むと心配されたが、被害がほとんどなかった豊洲などでは、供給量が非常に多いことが地価にはプラスに作用している」と話している。【太田誠一

 ◇堅調の被災地「実感ない」

 東日本大震災の被災地では、宮城県が上昇に転じ、福島、岩手両県も下落幅が縮小した。だが、生活再建の道筋は見えず、「復興の実感はない」と戸惑いの声も聞こえる。

 宮城県では、沿岸部からの人口流入が続く仙台市の住宅需要増が路線価を押し上げた。沿岸部の石巻市気仙沼市でも、被害を免れた内陸部に車で利用できる商業施設が集まり、上昇している。石巻市ですし屋を営む小山善興(おやまぜんこう)さん(63)は「地価が上がっていると聞いても、そんな感覚はない。『先が見えない』と話すお客さんは多く、復興の実感はまだまだ」と首をかしげる


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